遺伝子・デリバリー研究会 第1回シンポジウム報告
慶應義塾大学理工学部 佐藤 智典 (シンポジウム運営委員長)


はじめに

 2000年11月に研究会が発足して最初のシンポジウムを5月11日慶應義塾大学三田キャンパスにて行いました。最初のシンポジウムと言うことで会員登録者も少なく、予算も皆無の状態で準備を開始しました。私の研究室は日吉のキャンパスですが、交通の便を考えて三田キャンパスを選びました。こちらには使用料が安くしかも設備の整ったホールもありました。1年目という事で研究会の最大行事であるシンポジウムの内容については小山先生とも何度も話をしましたが、招待講演だけにしてポスター発表などの一般講演を設けない事にしました。これは、慶應の中にポスターボードの設備がなかったことも原因でした。よって、半日だけの講演会としましたが、講演者には、会長の多比良和誠先生、副会長の片岡一則先生と評議員の奥 直人先生と中西真人先生に御願いしました。会員外からは最近、脳腫瘍の遺伝子治療を行われた名古屋大学医学部の吉田 純先生に御願いしました。これだけの講演者を揃えればそれなりの参加者は期待できるだろうと考えていました。

参加登録者は168名でした

 シンポジウムのポスターを安上がりで作るために、研究室でカラープリンターを購入して、秘書の協力を得ながら自作のポスターを作製しました。A3ノビを使うとポスターとして十分な大きさになりました。100部ほどを2日で印刷できました。それを知人や関連の研究をやっていそうな研究者や企業の研究所へ郵送しました。その後、4月にはBIOWEB(http://www.bioweb.ne.jp/)の電子メール配信を行って貰ったり、NIKKEI BP (http://www.nikkeibp.co.jp/)のweb siteに登録しました。BIOWEBでのメール配信は非常に有効でした。本シンポジウムの趣旨とメールリストの登録者の専門と合致したようです。準備期間が短く、関連学会の会告に載せることが出来ませんでしたが、そのハンディを感じることがないのは、ネット社会になった恩恵でしょう。ありがたいことに9割の方が事前に登録していただき、参加者名簿を作ることが出来ました。最終的に168名(その内学生59名)の参加登録がありました。

エキサイティングな講演でした

 当日の講演も大変エキサイティングでした。多比良先生には遺伝子を構築する立場からマキシザイムや新たなジーンディスカバリーの手法を紹介していただきました。遺伝子・デリバリー研究会のまさしく「遺伝子」の分野を開拓する仕事であると痛感させられました。奥先生にはリポソームによるデリバリーを、中西先生にはセンダイウイルスをベースにした融合性リポソームを、片岡先生にはポリマーミセルに関する「デリバリー」の話題を中心にお話ししていただきました。吉田先生には非ウイルス型ベクターを用いた癌の遺伝子治療を日本で初めて行われた経験をお話ししていただきました。臨床に用いるためのガイドラインの話は大変勉強になりました。またディスカッションも大変活発で、座長の先生もオーガナイザーの顔色を気にすることなく討論を盛り上げていただきました。
 遺伝子の設計や臨床の分野の先生には「こんなデリバリーシステムもあるのか」、デリバリーをやっている先生方には「実用化するにはこんなアッセイをクリアーしていかなければならないのか」、と言うようなことを勉強したり再認識したりすることが出来たのではないでしょうか。

今後に向けて

 遺伝子治療の分野の研究において本研究会はどのような役割を果たしていけばいいでしょうか。多比良先生が言われてますように、「遺伝子」と「デリバリー」の研究者がお互いの接点を探してそれが融合できることを目指していけるような気がしました。今回のシンポジウムを聞いていて、「遺伝子治療実験ハンドブック」みたいなものがあれば役に立つのではないかと言うことを思いました。

謝辞 

 スピーカーの5人の先生、168名の参加者、シンポジウムの運営委員の先生方、そして事前の準備を全てやっていただいた秘書の磯島麻衣子さん、受付や会場を手伝ってくれました大妻女子大の伊藤智子さんおよび慶應義塾大学理工学部佐藤研究室の全ての学生さんにこの場を借りてもう一度お礼を申し上げます。

 


この他にもシンポジウムに関するご意見、ご感想、ご要望をお待ちしております。事務局または広報委員までお願いします。


第一回 シンポジウム

日時  2001年 5月11日 (金) 13:00〜17:20 受付は12時より

場所  慶應義塾大学 三田キャンパス 北館2階 北ホール

会費  正会員                  無料

    正会員の研究室に所属する学生       無料

    賛助会員である法人、会社、団体のメンバー 一口につき2名まで無料

    会員外                  一般  5000円

                         学生 1000円

プログラム

13:00〜13:10 会長挨拶

13:10〜13:50  座長 鈴木 要介(株式会社ジェノファンクション)

多比良和誠 先生(東京大学大学院・工学部)

「遺伝子・デリバリー研究におけるリボザイムの役割」

13:50〜14:30  座長 丸山 厚(東京工業大学)

奥  直人 先生(静岡県立大学・薬学部)

「ポリカチオンリポソームによる遺伝子導入とその機構」要旨はこちら

14:30〜15:10  座長 丸山 一雄 (帝京大学)

中西 真人 先生(産業技術総合研究所・ジーンディスカバリー研究センター)

「生物機能のシミュレーションによるベクター開発」

15:10〜15:40  休憩

15:40〜16:20  座長 江里口 正純(東京大学)

吉田  純 先生 (名古屋大学・医学部)

「DNA/リポソームを用いた遺伝子治療:基礎と臨床」

16:20〜17:00  座長 長崎 幸夫(東京理科大)

片岡 一則 先生(東京大学大学院・工学部)

「高分子の自己組織化を利用した人工ウイルスベクターの開発」情報はこちら

17:00〜17:20 総会

17:30〜19:00 懇親会

北館2階 ファカルティクラブ 会費6000円

参加登録

参加希望者は4月28日までにお名前所属連絡先、および、懇親会への参加の有無を明記の上、葉書、 FAX、もしくは、電子メールでお申込みください。定員は250名です。参加費は当日徴収します。(電子メールで申込みされる方でOutlookをお使いの場合には、送信をHTML形式では 無くTEXT形式でお願いします。もしくはMSWordの添付書類でお願いします。)

申込先

〒223-8522

横浜市港北区日吉3-14-1

慶應義塾大学理工学部応用化学科

佐藤 智典

電話:045-566-1771 FAX:045-566-1447

電子メール:sato@applc.keio.ac.jp


2001年シンポジウム運営委員

委員長

佐藤 智典(慶應義塾大学)

委員

江里口 正純(東京大学)

鈴木 要介(株式会社ジェノファンクション)

小山 義之(大妻女子大学)

長崎 幸夫(東京理科大)

丸山 厚(東京工業大学)

丸山 一雄 (帝京大学)

村田 敬重(日本油脂)