遺伝子・デリバリー研究会 第3回シンポジウム 報告
東京大学先端科学技術研究センター 柳衛 宏宣 (シンポジウム運営委員長)
はじめに
2000年11月に発足致し、理学、工学、農学、薬学、医学など様々な分野の研究者が共同体を形成して学際的な研究を進めている遺伝子・デリバリー研究会では、この度、KKRホテル東京にて第3回シンポジウムを開催いたしました。回を重ねるごとに盛会となる様は、研究を積み重ねることにより、真理の追求と新物質・製剤の創成への人々の期待の高さを反映しているのもと思われます。今回は、前回と同様に、できるだけ多くの方に参加して頂けるように講演内容を基礎研究から臨床の最前線まで幅広い分野から招待講演として発表を頂き、一般演題はポスターとし、また若手研究者を対象としたポスター賞も設けました。
講演について
招待講演と致しまして、杉山雄一先生(東大院薬)、清水信義先生(慶応大医)、久 智行先生(東大先端研)、落谷孝広先生(国立がんセンター)、東 秀史先生(都城市郡医師会病院外科)、真部 淳・山下直秀先生(東大医科研)、川崎広明・多比良和誠先生(東大院工)、菊池 寛先生(第一製薬)、片岡一則先生(東大院工)にお話し頂きました。プログラムが非常にタイトとなりましたが、盛会のうちに開催できましたのも皆様方のおかげと、感謝いたしております。
招待講演は最新のデータを発表して頂き非常に興味深いものでした。杉山先生には医薬品開発を目指したトランスポーター研究について御紹介頂きました。清水先生には、ヒトゲノム解析国際協力プロジェクト研究の全容と遺伝子治療へのインパクトについて御発表頂きました。また、“遺伝子“側より、川崎・多比良先生には、現在最もホットな領域のひとつであるRNAiについて最先端の仕事を御紹介頂きました。久 先生には、ホメオボックス遺伝子のひとつであるMeis
1遺伝子の発生学的寄与について御報告頂きました。”デリバリー“側より、落谷先生には、アテロコラーゲンDDSの遺伝子発現効率の増強効果について、菊池先生には、リポソーマルDDSの遺伝子治療への応用と問題点について、片岡先生には、高分子ミセルのナノ・アッセンブリーに基づくベクターデザインについて、幅広い研究を御紹介頂きました。さらに、”臨床“側より、東 先生には、膜乳化法により作製されたW/O/W
emulsionを用いた肝臓癌に対する肝動注療法についての臨床治験例について、真部・山下先生には、アメリカと共同で進められている小児神経芽腫に対するリンフォタクチン遺伝子を用いた遺伝子治療の実際と問題点について御解説頂き、臨床の現場での医師の御考えを拝聴できました。
研究会全体について
前述の通り9件の招待講演に加え、36件のポスター発表を頂きました。また、参加登録者は190名と、多数の方々にシンポジウムにご参加いただき、まことにありがとうございました。
遺伝子・デリバリーの進歩には工学・理学・医学・薬学全ての領域の融合が必要不可欠であり、それぞれの領域の相互認識がますます重用視されてくるでしょう。今後、本研究会が開催いたします年一度のシンポジウムと夏期セミナーを通しまして、意見交換の場を増やし基盤を形成しつつ、遺伝子治療臨床の実際に向けて進んで行きたいと思います。
2003年度ポスター賞
第3回シンポジウムにおきまして、以下の方にポスター賞が贈られました。今後のますますのご活躍をお祈り申し上げます。
佐藤祐子 殿 (名大院・環境)
長鎖DNAを封入した細胞サイズリポソーム
加藤義雄 殿 (東京大学工学系研究科、産業技術総合研究所)
トリミング・リボザイムを用いたsiRNA発現ベクターの開発
謝辞
シンポジウムの運営委員の先生方を始め、事前の準備を全てやっていただいた東京大学先端科学技術研究センター江里口研究室秘書の関 加奈子さん、受付や会場設営などでご協力いただきました、大妻女子大学、慶應義塾大学、帝京大学、長崎大学、大阪市立大学の学生さん、秘書のみなさま、およびスタッフの先生方、星月の小林正利様にもこの場をお借りいたしまして深謝いたします。
今年度は、学会場費、ポスター発表、予稿集作製など、多くの予算が必用となりましたが、ご援助いただきました下記の企業の方々にも、この場をお借りいたしまして御礼申し上げます。
協賛・寄付: アストラゼネカ株式会社/エーザイ株式会社/オキシジェニクス/グラクソ・スミスクライン株式会社/ジョンソン・アンド・ジョンソン株式会社/バイオ・アクセレレーター株式会社/メルク株式会社/株式会社アズバイオ/株式会社ポリトロニクス/株式会社健康予防医学研究所/三菱ウエルファーマ株式会社/住友化学株式会社/鐘淵化学工業株式会社/第一製薬株式会社/中外製薬株式会社/田辺製薬株式会社/藤澤薬品工業株式会社/日本たばこ産業/日本化薬株式会社/萬有製薬株式会社/八洲薬品株式会社/三共株式会社/株式会社ヤクルト本社/ノバルティスファーマ株式会社
広告掲載:日本油脂株式会社/ネッパジーン株式会社/山之内製薬株式会社/日本ミリポア(株)/ノバルティスファーマ株式会社/萬有製薬株式会社/協和発酵工業株式会社/第一製薬株式会社/株式会社メディネット/
ブース出展:ネッパジーン株式会社
遺伝子・デリバリー研究会 第3回 シンポジウム
〜デリバリー材料から臨床に向けて〜
〒100-0004 東京都千代田区大手町1−4−1(地下鉄東西線竹橋駅直結 3-b 出口)
電話:03-3287-2921参加費 正会員 無料学生会員 無料賛助会員である法人、会社、団体のメンバー 一口につき2名まで無料会員外 一般 6,000円(要旨集代込み)学生 1,000円 (要旨集代込み)*当日入会受け付けます。 5,000円懇親会費 4,900円(会員・非会員・学生会員の値段は同じ)
プログラム
9:30 挨拶(司会:柳衛、挨拶:片岡先生) 9:40 久 智行 先生(東大先端研)「形態形成とノックアウトマウス」
(座長:丸山 厚先生) 25分
10:05 落谷孝広 先生(国立がんセンター)「アテロコラーゲンDDSによる生体内での遺伝子発現制御:siRNAデリバリーへの応用」
(座長:佐藤智典先生) 25分10:30 東 秀史 先生(都城市郡医師会病院)「WOW エマルジョンを用いた肝臓癌治療」
(座長:柳衛) 25分10:55 休憩 20分 11:15 杉山雄一 先生(東京大学薬学部)「理想的な医薬品開発を目指して〜トランスポーター研究の重要性 」
(座長:丸山一雄先生)45分12:00 昼食(各自)、ポスター閲覧 14:00 総会 14:10 真部 淳・山下直秀 先生(東大医科研)「小児神経芽腫に対する遺伝子治療」
(座長:江里口先生) 25分14:35 川崎広明・多比良和誠 先生(東京大学工学部)「RNAi誘導ベクターおよびDiced-siRNAライブラリーを用いた動物細胞での効果的な遺伝子発現抑制 〜RNAiのメカニズムの解析から応用へ〜」
(座長:山岡先生)25分
15:00 清水信義 先生(慶応大学)「ヒトゲノム研究の新展開と遺伝子治療へのインパクト」
(座長:片岡先生) 45分15:45 休憩 20分 16:05 菊池 寛 先生(第一製薬)「遺伝子治療用デバイスとしての非ウイルスベクターの現状と問題点:企業化の立場から」
(座長:河野先生) 25分16:30 片岡一則 先生(東京大学工学部)「遺伝子・薬物キャリアとして機能する超分子ナノデバイスの創製」
(座長:斯波先生) 25分17:05 終わりの挨拶(江里口先生)および表賞 18:00 懇親会
参加登録
参加希望者は2003年4月21日(月)までにお名前、所属、連絡先、および、懇親会への参加の有無を明記の上、葉書、 FAX、もしくは、電子メール(gene@ml.nagasaki-u.ac.jp宛)でお申込みください。出来るだけ事前登録した頂くようお願いいたします。当日登録も受け付けます。参加費は当日徴収します。
(電子メールで申込みされる方は、送信をHTML形式では無くTEXT形式でお願いします。もしくはMSWordの添付書類でお願いします。)
ポスター発表演題募集(終了しました)
(1)演題 (2)氏名(発表者に○)(3)所属(4)連絡先(住所・TEL・FAX・E-mailアドレス)を明記のうえ、事務局宛にE-mail(gene@ml.nagasaki-u.ac.jp)にてお申し込み下さい。演題申込締切は2003年3月31日(月)必着とさせていただきます。
ポスター発表申込者には要旨を準備して頂きます。A4用紙1ページにまとめ、事務局まで電子メールを使って添付書類(マイクロソフトワードの.docファイル)としてお送り下さい(gene@ml.nagasaki-u.ac.jp)。2003年4月11日(金)必着でお願いします。要旨のテンプレートはこちらからダウンロードしてご利用下さい。ワードファイル、PDF
なお、電子メールを利用できない、あるいは、ワードを利用できないという方は、A4用紙に印刷したものを事務局までお送りください。ただし、こちらでワードファイルを作成することも想定されるため、書式等が若干異なる場合があります。ご了承下さい。わからないことがありましたら何なりと事務局へお問い合わせ下さい。
ポスターボードのサイズ:幅90・高180cmとなっております。
事務局・問い合わせ先
〒153-8904 東京都目黒区駒場 4-6-1
東京大学先端科学技術研究センター
知的財産権大部門
インキュベーションプロジェクト:癌転移抑制柳衛宏宣(実行委員:gene@ml.nagasaki-u.ac.jp)
TEL : 03-5452-5431
FAX : 03-5452-5434
委員長
柳衛宏宣(東京大学先端科学技術研究センター)
委員
河野 健司(大阪府立大学大学院)
小山義之(大妻女子大学)
佐藤智典(慶応大学)
斯波 真理子(国立循環器病センター研究所)
丸山 一雄 (帝京大学)
山岡 哲二(京都工芸繊維大学)